『第2回クイズ作問甲子園』審査委員紹介

『第3回夏のセンバツAQL・問題作成部門(通称:『第2回クイズ作問甲子園』)』にて、問題を審査する審査委員を紹介します(五十音順)。

二次審査委員は、「第3回夏のセンバツ実行委員会」が、「AQL運営への多大な貢献があり、かつ問題作成面や初心者に向けたクイズ普及において活躍している方。もしくは「言葉」の分野で活躍されている方」を、バランスよく選出するよう心掛けました。

一次審査委員は、二次審査委員で一次も引き受けて下さった方に加え、「AQLに関わった高校卒業直後の大学生1・2年生で、問題作成面での活躍が見られる方」を中心に依頼しております。

なお、審査委員各人の紹介文は実行委員長で執筆し、審査基準(あるならば任意で「理想とする問題群」も挙げていただきました)は各審査委員に執筆していただきました。

ベースとなる審査基準はこちら

*各人の審査基準はあくまで各審査委員の考えを元に執筆したものであり、全てが「AQL実行委員会として推奨する正しい問題作成方法」というわけではありません。また、夏のセンバツAQL実行委員として、内容を校閲しておりません。

 

二次審査委員

近藤仁美 高橋太郎 鶴崎修功 徳久倫康 中林もも

能勢一幸 東問 三木智隆 森慎太郎 山上大喜

 

一次審査委員

Aグループ 鶴崎修功 中林もも 能勢一幸 川嶋大斗 松原東也

Bグループ 神野莉子 徳久倫康 森慎太郎 福岡侑季 林志邦 

Cグループ 近藤仁美 三木智隆 山上大喜 中山拓海 別所輝典

 

第3回夏のセンバツ実行委員会事務局長

栗林祐太

 

二次審査委員

近藤仁美

JQA/国際クイズ連盟日本支部代表として、AQLと共にクイズ普及に取り組んでいる。またプロのクイズ作家として『高校生クイズ』『頭脳王』『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』などを担当する。

【審査基準】

私の主な審査基準は、「人のことを考えられているか」です。

たとえば、解く人がすんなりと理解できる問題文になっているか、いたずらに人を不快にさせない題材選びができているか、周りだけでなく作問者本人の楽しみも置いてけぼりにしていないか、などがこれにあたります。

また、これまであまり出題されてこなかった分野での作問も歓迎します。出題歴はなくても出題意義が十分にあるものへの気づきや、先例がない状況で素材のどこを切り取ってクイズにするかという勘所は、作者の力量が大きく問われる部分です。

皆さんの想いのこもった、AQLという場にふさわしい問題を期待します。

  

高橋太郎

AQL事前番組や全国大会の生放送において、複数回司会役を担当。また「ソフロレリア」名義でWebメディア『QuizKnock』のライターとしても活躍した。

【審査基準】

審査員を務める高橋太郎です。よろしくお願いいたします。

私は以下の2点を審査の大きな指針といたします。

 

・第三者に読まれることが意識されているか

今回作成していただく問題は、審査員による査読の対象であり、また、問題作成チーム以外による出題を前提とするものです。したがって、第三者に提出するにふさわしい文書に仕上げることが肝要であると考えます。

 

・問わんとする題材の面白さが伝わるか

何を問うかは自由であるうえに、同じ言葉が答えになるクイズでも、その問い方は十人十色です。作成者の色を感じられることが問題持ち寄りの醍醐味と考えているので、問わんとする題材の面白さを伝えてくれるようなクイズを評価する方針です。

 

ぜひチームで協力して、問題作成から提出までのプロセスを楽しんで行っていただければと思います。珠玉の問題群をお待ちしています!

 

鶴崎修功

AQL2020、2021で複数回ジュニア向け問読み・進行を実施、特にAQL2021では初の日経ホール生放送にて司会や問読みを担当した。TBS系列のテレビ番組『東大王』の初代東大王や、Webメディア『QuizKnock』のメンバーとして現在も活躍する。

【審査基準】

早押しクイズは出題する人と答える人がいて成り立ちます。出題側がどれだけ答える人のことを考えられるか、答える人のことを楽しませられるかが大きな問題と私は考えます。一方で、出すクイズによって出題側の人間のかたちがあらわれてくるというのも魅力だと思っています。なので、私の審査基準を簡単にいうと「みなさんのクイズで、参加者が楽しめそうかどうか」です。

ただし実際のところ、今回の私は参加者ではなく審査員なので、楽しませられそうかどうかを横から勝手に評価するということになります。

参加者が勝負して納得できるかどうか、参加者が楽しい気持ちになって勝負を終われるかどうか、そして自分たちは本当にこの問題を出したいのか、そのようなことをおもって問題を作ってください。

基本的なこととしては、誤解を生む文、ミスのある文、裏取りの甘い文などではあまり楽しめないと考えます。一方、発展的な部分で「このような作り方がいい!」といま具体的にいうのは、審査員の立場としては少し難しいです。

私が何を考えて問題を作るか語ることはできますが、AQLがそのような問題であふれてほしいと思っているわけではありません。

楽しませるといっても、参加者におもねるような問題がみたいわけではありません。もちろん、審査員におもねる必要はもっとありません。

簡単な問題や押しやすい問題ばかりにする必要はありませんし、歯ごたえばかりがほしいわけでもありません。

「出題側の人間のかたちがあらわれてくるというのも魅力」という言葉と矛盾すると思われるかもしれませんが、出題側の人間性が見えるほどいいというわけでも、透明なほどいいというわけでもありません。

むしろいろいろと考えてみて、1問1問を、そして42問のセットを練り上げることが大事だと考えます。

最後にいうべきこととしては、まずは審査よりも、出題者・参加者としてAQLをよく楽しむことを目指してください。その上で、みなさんの問題を楽しみにお待ちしています。

 

私は昨年も審査を行いました。参考に、総評に書いた私の審査方法を記しておきます。

今年も同じ方法で審査するかはまだ決めていませんが、似たような方法になる可能性は高いです。

審査方法以外の私の感想コメントはこのページ(https://www.quizaql.com/20210919sakumonlast )で見られます。審査委員として、審査する前に私の思想を具体的に伝えるのはそんなによくない気がしていますが、どうせ公開されているので、知りたい方はリンク先を見てください。

以下が昨年私が使った審査方法です。

 

まず、42問の各問題を、読んだときの自分の感想に応じて、次のように10点満点で評価しました。

・問題に間違い・納得できない点がある→4点以下、基本的に4点

・ギリギリセーフだなと思った→5点

・まあいいんじゃないかなと思った→6点(ここまでは自分なら出さないかもしれないという感触です)

・悪くないね、出してもいいねと思った→7点

・いいじゃん!と思った→8点

・かなり好き!と思った→9点(レア)

・ベタ褒め!→10点

10点は出しませんでした。9点もほとんどなく、大体の問題は6点~8点におさめるようにしました。

その後、全体的な評価として次の項目を設けました。

・かぶり、偏りが目立つ→-20~0まで5点刻み

・難易度が難しすぎる・易しすぎる→-20~0まで5点刻み

・配置がよく考えられている、工夫がある→-20~+20まで5点刻み

・このセットで勝負すると私は楽しい→-20~+20まで5点刻み

・このセットで勝負して私は納得できる→-30~+30まで5点刻み

最後に、正当とは思われない理由で提出が遅れた学校は-5点しました。

 

徳久倫康

AQLでは2018年度の東京東部リーグ代表を務め、AQL以外でも数多くのアマチュアクイズ大会において問題監修や問題作成を担当。また「競技クイズ界最強」と呼ばれ、ここ数年のクイズオープン大会での勝利数1位を記録し続けている。株式会社ゲンロンにて論考『国民クイズ2.0』などを発表した経歴を持つ。

【審査基準】

みなさんにご用意いただくのは、AQLという団体戦の大会で、早押しクイズとして実際に使用する問題です。ですので、わたしの採点基準はただひとつ、「いま、この大会で出すのに適しているか」だけです。

みなさんが問題を届ける先は、ほかのチームの参加者であり、われわれ審査員ではありません。こんなことは百も承知でしょうが、決してこちら側を向かないでください。この企画はあくまでプラスアルファであるべきで、これによってAQLの競技性がゆがんでは元も子もないのです。

ほかのチームの顔色をうかがえというわけでも、無理に難易度や傾向を合わせろというわけでもありません。みなさんが信じる、「いま、AQLで出すべき問題たち」を出しましょう。

もちろん、問題は責任を持って拝見します。でも、本当に自信を持って送り出せる問題群であれば、実際に押し手に楽しんでもらえていれば、審査結果なんて取るに足らないものです。外野がなんか言ってるな、くらいに聞き流してください。

 

中林もも

AQLでは企業渉外担当として日本経済新聞社様など企業との交渉に従事。クイズ歴は審査員の中では最も浅いが、『LockOut通常大会優勝』など、近年勢いあるクイズプレイヤーの一人として知られている。『新世紀エヴァンゲリオン劇場版・序』の英語監修をはじめ、アニメ・ゲーム業界を中心に翻訳・英語監修・脚本など幅広く活躍している。

【審査基準】

私は日頃から言葉に関わる仕事をしておりますので、以下のような点を重視します。

 

①助詞の使い方や、主語と述語の対応に間違いがないこと

②句読点が適切に用いられていること

③語順がよく考慮されており、不要なミスリードが発生しないこと

 

また、実際に出題される場合を念頭に、問題を出す順番や並びも評価の対象とします。

 

たとえば、40問全体でジャンルのばらつきが適切でも、特定のジャンルの問題が序盤に偏っていた場合、その分野を得点源にしているチームが有利になる、といった形で局面に影響が生じます。

 

必ずしも全問使い切るわけではないため、特に後半はその問題で決着がつくかもしれない、ということを意識して選んで頂ければと思います。

 

能勢一幸

AQLでは設立当時から埼玉リーグにて教育委員会後援取得活動に尽力。プレイヤーとしては『第15回アメリカ横断ウルトラクイズ』で優勝したレジェンド的存在。また埼玉県職員として「埼玉クイズ王決定戦」の監修なども行っている。

【審査基準】

審査委員の中で最年長の立場として、昭和時代のTVクイズからオープン大会の黎明期、そして一問一問が洗練された現在まで、クイズの歴史を見て触れてきました。みなさんの渾身の問題群の中から「まだこんな視点があったのか!」と感じさせてくれたり、結果的に私にとっては「懐かしい」と感じさせてくれるものがあったりしたら高評価を与えたいと思います。

また、埼玉県のローカルイベントである「埼玉クイズ王決定戦」の問題監修として約10年間、埼玉県を色々な角度からクイズ問題という形で発信し続けてきました。そこでは初めて早押し機に触れる方も多く、いかにボタンを押して答えてもらえるかということに知恵を絞ってきましたので、今回の問題群で、そういった「初心者への配慮」をより強く感じることができたところにはやはり高評価を与えたいと思います。

一方で、ジャンルの偏りには厳しい目を持とうと思っています。文学・科学・生活などのジャンル分けはもちろんのこと、異なったジャンルでも出題内容がそれぞれに近い地域のことだったり、同じような年代のものが重なっていると減点の対象となりますのでご注意ください。

同じ問題群でも並べ方で印象が変わるなど工夫すべきポイントはたくさんあります。みなさんの「クイズ愛」を感じながら採点に取り組みたいと思っています。

 

東問

「高校時代大好きだったAQLに恩返ししたい」という思いのもと、AQL2020/2021ジュニアの部全国大会にて問題監修を担当。プレイヤーとしては双子の兄弟である東言らと共に優勝した『第38回高校生クイズ』の他、数多くのクイズ大会で活躍をしている。

【審査基準】

どうやら最年少審査委員らしい東問です。最年少なので若さを推した採点基準を設けようかと考えましたが、全然思いつかなかったので普通のことを書きます。

「クイズの問題」を作る時には大きく2つのステップがあると思います。①題材選び ②成文化 です。どちらに時間がかかるかは人によって違いますが、どちらもとても難しくて考えながら慎重にやらなければなりません。

また、私がクイズの問題が備えていて欲しいなと思うことも2つあります。「⑴その問題を早く押して正答できる人が評価されるに値する」と「⑵問題として面白い」です。

⑵は人によって感じ方が違うと思うので置いておきますが、⑴がどのようなことを意味しているかを説明します。例えばスポーツに関する問題は、同じ知識をクイズで仕入れたクイズプレイヤーより、そのスポーツのプレイヤーの方が早く押せて正答できる問題の方が良い問題だと思います。

【具体例】

カバディに関する問題を出すなら、「カバディにおいて/」で押して「レイダー、アンティ、キャントの3択だ!」と考えるクイズプレイヤーよりも、カバディプレイヤーの方が早く押せそうな問題を考えてみましょう。

①題材選びにおいては、上記の3択以外を答えにしてみるという方法があります。例えば、

「外側の選手が内側の選手の手首を握り2人一組となる、カバディにおけるアンティの基本技術は何でしょう?」

→「チェーン」

などでしょうか。また、この問題では②成文化において、早押しクイズの構造の基本となる「段々ヒントを出して答えを絞らせる」という問題文の構造をあえて外しています。(前フリには特徴的な単語がひとつも入っていませんが、単語反応クイズみたいなものを避けられると思います。)

上記の3択から出題するにしても、②成文化で工夫をして「2人一組となって手を繋ぐチェーンなどの技術を用いてレイダーを捕らえる、カバディにおいて〜」→「アンティ」みたいな感じにすれば、分かっている人が早く押せる、いわゆる「本質っぽさ」を醸し出すことができると思います。

(なお、今回の審査基準には難易度の適切さというものがありますので、AQLで出題するなら後者の問題の方がいいかもしれません。)

スポーツ問題を例にとって書きましたが、その他にも「その小説を読んだことがある人」が、「そのお寺に行ったことがある人」が早く押せる問題を評価しようと思います。もちろん、書き出しフリも山号フリも便利ですし、クイズの勉強を沢山している人が早く押せるので全然悪くはないです。ただ、より工夫を凝らした問題の方を高く評価しようとは思っています。

また、オンラインクイズの比率が高まっている昨今の情勢では、問題の評価基準に変化が生じていると思います。オンラインクイズはどうしても通信によるタイムラグなどがありますから、そういった環境に左右されない、押し合いになるベタフリを避けた問題を高く評価する、という理由があることも知っていただけると幸いです。

以上は「クイズの問題」を作る話をしましたが、今回提出していただくのは「クイズの問題群」です。これもまた難しい話なのですが、ただ「良い問題」を42問集めれば「良い問題群」になるわけではありません。審査基準にも書かれている通り、ジャンルの偏りや並び替えなどを考慮してください。ただ、様々な地域のチームが問題を作るというAQLの特性上、「ご当地問題が多めに盛り付けられている」のような味はアリだと思います。

作問者/サプライヤーもプレイヤーであるというのが競技クイズの、AQLの特徴であり良いところだと思っています。色々書きましたが、「参加者がクイズを楽しめるような問題を作ろう!」という気持ちで取り組めば、自ずと良い問題群になると思います。みなさんの問題を楽しみにしています。

 

三木智隆

AQLでは千葉リーグや埼玉リーグにて初心者向け企画を実施、特に千葉リーグでは「ソメイティ連合監督」として、初心者ばかりの中高生たちを導いた。1999年から20年以上続く大規模競技クイズ大会『勝抜杯』の主催者であり、QuizKnock12時間クイズへの問題提供も行った。本職はスポーツ記者。

【審査基準】

 今回、審査員を務めることになりました三木です。私が審査で重点を置くポイントは以下です。

①客観的な事実に基づき、正確に出題しているかどうか。

 クイズにとって、最も大事なことだと考えています。答えを一つに絞れる問題文にしてください。

②クイズの世界の知名度ではなく、世の中で一般的な内容を問えているか。

 クイズ界の中で有名でも、世の中でほぼ知られていないような事柄の出題に対して、高い点数は与えられません。老若男女、さまざまな属性の方の正解率を意識してください。普段、目にしているものや生活からネタを拾うように、心がけてください。

③クイズ的な文法ではなく、自然な日本語として問題文を構成できているかどうか。

 ニュースで耳にするような一般的な言い回しを心がけてください。たとえば、「その初代所長を●●が務めた~」「鉄にこれをメッキしたものはブリキと呼ばれる~」といった、指示代名詞が文頭に入る問題などは自然な日本語ではないと判断しています。指示代名詞は前に出た事柄を指すためです。他の同音異義語を連想するような言葉、難解な熟語は、耳で聞いて一度で分かるような表現に換えられないか、工夫してみてください。

④AQLルールで勝敗をつける上で、適切な問題群かどうか。

 スルーが続くような問題、ミスリードを誘いかねない問題、ジャンルや構文が偏り過ぎている問題の評価は低くなります。

⑤着眼点や前振りを工夫し、問題文にオリジナリティーを打ち出せているか。

 ①~④を踏まえた上で、初めて⑤に挑戦してください。独創的かつ奇をてらっていないクイズを期待しています。機械的な問題の羅列ではなく、耳で聞いたときに問題作成者の顔や素性が思い浮かぶような問題が、一定の割合で入っていることが理想です。

⑥世間の流行、ニュースを題材に取り入れているかどうか。

 単純な時事問題だけではなく、時事的な要素を問題文に散りばめているクイズは高く評価します。この要素は私の好みが特に大きい部分です。

 具体的には、クイズLIVEチャンネル、田中健一さんの「至高」「QuizistA」シリーズ、abcの問題群は、高く評価しています。また、私の自作問題で構成している「勝抜杯」「12時間クイズ2020」は、私にとっての理想を追求した問題群ですので、こちらも参考にしてください。

  

 森慎太郎

「QuizKnock」の一員としてクイズ制作に携わる中、今年春に行われたクイズ大会「High School Quiz Battle WHAT 2022」では問題チーフを担当し、様々な形式の出題で参加した学生を虜にした。

プレイヤーとしては、洛北高校時代の2014年に「高校生クイズ」で全国制覇。AQLでは2019年に「TQC東東京」の一員として、鶴崎修功らと共に全国制覇を経験している。

【審査基準】

 どうも、森です。わたしは、みなさんの問題を審査させていただくうえで、主に次の3つの観点を重視いたします。

 

 ① 「事実に基づいて書かれた日本語の文」として適切であるか。

 ② 「読み上げで出題される早押しクイズの問題文」として適切であるか。

 ③ クイズとして「良い」か。

 

 ①の観点は、クイズの問題文としてどうという以前に、普通の文としてどうかということを考えるためのものです。①の観点で注意すべきと考えるトピックは主に2点です。1点目は、言葉遣いが日本語の文として適切な範囲のものであるか。言葉の表記、てにをはや係り受け、コロケーションなどが日本語としておかしいものでないか、注視します。2点目は、文の内容が正しいか。全ての問題をわたしの方で追加で裏取りすることは現実的ではありませんが、読んでいて気づいたものや怪しいと思ったものについては積極的にソースに当たるようにします。その際、ソースの信憑性も評価の対象とします。また、内容の正しさについて、「間違ったことを書いている」以外にも「間違ったことは書いていないが、事実とは別の印象で受け取ってしまう」ような場合は評価が下がる要因となりえますので注意してください。

 ②の観点は、クイズの問題文、特に読み上げで出題される早押しクイズの問題文としてどうかということを考えるためのものです。②の観点で注意すべきと考えるトピックは主に2点です。1点目は、問題文から導かれる答えが1つに絞れているか。(AQLの)早押しクイズは「答えは問題文から1つに絞ることができる」という前提で行われるため、この前提にそぐわない問題は評価が下がることになります。ただしこれは、「〜は何と何でしょう?という形で2つのものを答えさせる問題」「英語での別解が考えられる問題」「説明を問うているので答え方に幅が存在する問題」などを否定するものではありません。あくまで「想定しているものの他に、別のものも正解として扱いうる問題」になっていないか、注意してくださいという意味です。2点目は、問題文を前から耳で聞いて不都合がないか。(AQLの)早押しクイズには、問題が前から順番に読み上げられ、それを耳で聞き取って答えを導く、という特徴があります。(そうでないクイズ、たとえば「問題文」に相当する画像の全貌を一気に見ることになるビジュアルクイズや、耳で聞き取るのではなく目で問題文を読み取る「みんなで早押しクイズ」のクイズと比較するとわかりやすいかもしれません。)意図しないミスリードや誤解、それらに伴う誤答の中には、出題方法・解答プロセスにおけるこの特徴について問題作成時に考慮することで防げるものが一定数存在すると考えます。わたしは防げるエラーはなるべく防ぐ方がよいと考えているため、問題文がこの出題方法・解答プロセスに適した形になっているか、注視します。考慮することのできるポイントの具体的な例としては、耳で聞いて変換するのが難しい熟語をうまく処理しているか、前半部分だけを聞いた人が他の答えに強く誘導されないか、問題文を口に出して読んだときに読みにくくないか、などを挙げておきます。

 ③の観点は、①や②では言い表せないようなポイントについて考えるためのものです。①②の観点でカバーできないあらゆるトピックが対象となるでしょう。この項で無数のトピックを個別に・網羅的に説明することは難しいため、③の観点については「クイズにおける良さ」とは何か、みなさん自身で考え、問題の形で表現していただいたものを、わたしの考えでひとつひとつ審査するということになります。 ここで1点知っておいていただきたいのは、「良さ」にはさまざまな流派や考えがありうるということです。たとえば、制服を着崩すのが「良さ」として流行っているとき、「良い」着こなしをするにはそれに倣うしかないかというと、そんなことはありません。おしゃれについて熟考した結果、あえて制服をしっかり着るというポジションをとることもできるし、「良さ」を優先するために制服を捨てることも(理屈の上では)できるでしょう。ですから、まずは自分と仲間たちの目指す「クイズにおける良さ」とは何かを、深く考えてみることをおすすめします。もちろんこのクイズ作問甲子園という場においては、最終的に「AQLという場に相応しい形で良さを発揮できているか」という視点で審査をすることになるため、すべての「良さ」を一律に高く評価することは難しいと思われるのですが、「クイズにおける良さ」について考える経験は、ここでの結果以上に大きなものをみなさんにもたらしてくれるはずです。

 

 今回、以上の3つの観点の間に優先度の序列を設けます。最も上位に置かれ、まず最初に満たさなければならない観点は①です。その次が②で、最後に満たすべきものが③です。ある観点に一定以上の瑕疵がある場合、その観点よりも優先度の低い観点については評価を行いません。たとえば、③の観点のみを見れば高く評価できる問題であっても、②の観点に一定以上の瑕疵がある場合は①と②の観点のみを評価することになる、ということです。ですから、③の観点に自信のある問題であればあるほど、まずは①や②の観点に立ち返ってエラーがないか念入りに確認することをおすすめします。また、評価の方式について、①と②の観点は減点方式に近い形での評価となり、③の観点は加点方式に近い形での評価となることを付け加えておきます。

 

 ここまでで、1問単位の審査について述べました。最終的な審査としては以上の1問単位の審査をベースに、42問のセットとしての完成度を見ることになります。その際は、ジャンルバランスや表記の統一、ルビが適切に振られているか、全体のテイストなども勘案することになりますので注意してください。

 

 ここまで読んでくださってありがとうございました。この文章をここまで読みこなせたあなたの力作を、楽しみにしています。誠心誠意、審査させていただきます。

 

山上大喜

クイズをコミュニケーションの一種として捉え、「QuizKnock(現在は卒業)」「Q星群(現在は活動休止中)」、自身が主催するクイズ大会「いろは」では彼との対話を試みる事ができる。

この春まで在籍していた「QuizKnock」では動画出演も積極的に行い、動画内で見せたキャラクターは今でも多くの人に愛されている。

【審査基準】

 初めまして。山上大喜です。

 今回ご縁あって、皆さんのクイズを評価できると豪語する勘違い人間になりました。よろしくお願いします。

 

 皆さんは今回、「夏のセンバツAQL」という大会の問題を作ることになります。

 クイズはとても自由な遊びですが、1つ1つの企画や問題の評価には、解答者の性質や出題する状況が大きく関わります。ある場所で高い評価を得た問題が、別の場所では悪問と言われることもあります。

 つまり、「初心者含む中高生が解答者の」「センバツAQLという場で」出題されて楽しい問題群を作成するのが、今回の皆さんの役目です(決して「審査員が好きそうな」問題群じゃないですよ!)。

 今回は指針として問題作成フォーマットや全体の審査基準が指定されていますので、必ず確認してください。私の審査も、この2つに沿っているかを基準とします(私個人の思想と対立する場合も、この2つが優先です)。

 

 さらに皆さんに意識してほしいことは、クイズには「意図」と「実装」の両面があるということです。

 「意図」とは、どのような問題群を作るのか、この問題は何が面白い(どんな人に正解してほしい)問題なのか、という目的意識のこと。「実装」とは、「意図」になるべく沿って、実際に出される1問1問と、それが集まった問題群を作ることです。

 今回は大まかなコンセプト(意図)こそ定められていますが、これをどう解釈するかは、皆さんの手に委ねられています。望ましいジャンル配分とは? ここでの「初心者」ってどんな人? など。チームで話し合い、なんとなくの方針を共有してから作問に移るのが良いでしょう。

 1問1問を作る「実装」の場面でも、「意図」の意識は欠かせません。その問題の面白さは何なのか(情報の面白さ、閃くポイント、どんな人に正解してほしいか、など)を考えるのが大切です。

 実際に問題を作るときには、使う情報・文の構成・言葉選びなど、複数の選択肢がある課題に直面します。目的意識が明確でないと、どれを選べばいいか分からなくなったり、新たな選択肢が浮かばなくなったりしてしまいます。

 

 今回私が審査するのは、「意図」の面白さと、「実装」の適切さです。言い換えると、「意図」が実現されたとしたら解答者はどれくらい楽しいかと、どれくらい「意図」通りに問題・問題群が「実装」されているか、という基準になります。

 ただし、「意図」は常に明示されているわけではなく、「実装」とも完全には切り離せないので、実際の審査では、完成品の問題からある程度「意図」を予想して採点することになります。「意図」があやふやだと判断された問題は低評価です。

 

 より具体的には

1. 問題群がAQLが出す指針に沿っているか

→沿っていなければ大幅減点・沿っていたら基礎点として大幅加点

2. 問題群の「意図」と「実装」

→問題群が解答者にとって楽しいバランスなら多めに加点・やろうとしたことは評価できるが上手く実現されていない場合も、点は減るが加点

3. 1問1問の「意図」と「実装」

→ 問題が解答者にとって面白ければ加点・やろうとしたことは評価できるが上手くできていない場合も、点は減るが加点

のの3つのレベルで採点するつもりです。点数の大きさは1>2>3の順です。

 

 さて、最後に少しメッセージを。

 実際にクイズを作るときには、扱う題材の性質、出題される状況や形式、解答者の性質など、様々な制約を受けます。そのため、実現したい複数の「意図」の間でジレンマに陥ることもあるでしょう。正確さと伝わりやすさ。日本語の自然さと早押しの構文。初心者の満足と上級者の実力判定。社会の知識の格差と個人の道のりの肯定。イチかゼロかでは解決できない課題がたくさんあります。正直、私もどうしたらいいか分からないことばかりです。

 皆さんはこれらの課題に対し、1問1問、自分たちのバランス感覚で立ち向かわねばなりません。これは苦しい営みですが、誠実に格闘した者は、他者のクイズに、同じような苦闘の跡を見出せるようになることでしょう。

 

 クイズを作る1人の仲間として、皆さんを応援しております。がんばれ!

一次審査委員

神野莉子

AQL2020、2021において、専任スタッフ協力回数最多。また、クイズ制作集団「Q星群」の一員として、動画作成やイベント実施など、様々なクイズ普及活動や初心者向け活動を行っている。

【審査基準】

私は審査基準の中でも特に「初心者向けの問題か」「ジャンルを偏らせていないか」に重視します。具体的には、

・初心者が答えられる難易度か

・答えが導け出せるような問題文になっているか

・1つのジャンルに問題文が偏っていないか

 

1人で全て判断するのは難しいと思うので、ぜひチームメイトと話し合って問題文を練ってみてください。楽しい問題をお待ちしています。

 

松原東也

AQLジュニア最初期に「東海中高」で2度の全国を経験し、積み重ねた「10勝」は2018年度時点で通算2位の好順位。 

中学・高校時代には関東や関西のクイズ大会で好成績を残し、スマートフォンアプリ『みんなで早押しクイズ』ではレート上位に名を連ねていた経験も持つ。

【審査基準】

僕が重きを置こうと思っている基準は、「その問題の題材や答えとなっている事柄やその切り口の目新しさ」です。

問題文がきれいであることは言うまでもなく大事なことですが、「こういった問題の出し方もあるんだ」、「日常生活でよく聞くけどこれをクイズではなかなか聞いたことがないな」といった問題はその作問者の独創性を少なからず含んでおり個性が現れるからです。また、答える側としてもそういった問題に解答するためにはより多くの知識やより柔軟な思考、生活力といった様々な事柄を持ち合わせていなければなりませんので、それについての知識を多く持ってる人間が得をできるといったことになります。ですので、僕は先に記したような新鮮さに重きを置いて審査させていただきたいと思います。

 

川嶋大斗

AQLでは全国の舞台に3回進み、昨年は社会人サークル「仙台QBB会」を2年ぶりの全国に導いた。高校時代にはAQLの他に「ニュース・博識甲子園」「高校生オープン」等で全国上位に進出したほか、2019年に開催されたとっておきの1問を競う「日経1問グランプリ」において「徳久賞」を受賞した経験を持つ。

【審査基準】

このたび、一次審査に関与させていただくこととなりました川嶋です。皆様の努力の結晶である問題群を、責任を持って批評させていただきます。よろしくお願いします。 

私が問題を批評する際に重視する点について、過去にSNSに投稿したことがありますので、そちらを転載します。
 

「(略) 

1.本質的であるか 

→詳しい人が1番早く押せるか 

→ミスリードがないか 

→最初のフリで確定しているか 

 

2.厳密性があるか 

→『問題文で提示された条件』を正解が満たしているか 

→『問題文で提示された条件』を満たすものが正解以外に存在しえないか」 

(2022年5月2日の筆者のTweetより) 

 

AQLの問題群では難易度やジャンルの偏り具合、面白さなどが審査の対象となりえますが、私は転載文に記されている2点以外の要素について、大きな逸脱がなければ基本的に許容する方針を採ります。以下、転載文で挙げた5つの条件(矢印で示されている部分)について順に説明したいと思います。 

 

「詳しい人が1番早く押せるか」 

この条件は、「全ての参加者が、確実に自信を持ってボタンを押す場合」を前提とします。競技クイズの頻出問題の中には、文頭のわずか数文字で答えが1つに定まる(とされている)ものがあります。それらの問題は、「問題文で問われている概念に詳しいこと」が有利に繋がりにくいという理由から、私からの評価は高くなりません。仮に問題群全体で頻出問題のみを使用した場合、評価が極端に低くなることは基本的にありませんが、加点要素は少なくなります。 

 

「ミスリードがないか」 

この条件は文面の通りです。 

 

「最初のフリで確定しているか」 

「フリ」という用語について、「問題文中において、疑問詞に対応する名詞を修飾する部分」と定義します(これが多くの人が納得する定義であるかは分かりません)。例えば、 

 

「Q.日本の第3代及び第4代南極観測船の名前の由来となった、1912年に日本人として初めて南極大陸に上陸した探検家は誰でしょう?《61字》」「A.白瀬矗【しらせ・のぶ】」 

 

という問題文では、疑問詞の「誰」に対応する名詞は「探検家」となります。そして、最初のフリは「日本の第3代及び第4代南極観測船の名前の由来となった」という部分です。この条件を満たす概念としては、「白瀬矗」と「白瀬氷河」の2つが考えられます。つまり、この時点では確定できていません。南極観測船の「しらせ」の由来として、2つの可能性があることを知っている人は、ここでボタンを押すことをためらうことになります。もし、艦名の由来となったのが「白瀬矗」のみであると認識している人がいれば、この時点でボタンを押すことでしょう。つまり、知識があることが有利に繋がらず、むしろ結果的に不利となってしまうことが起こりえるのです。このような理由から、最初のフリで確定していない問題の評価は低くなることがあります。この条件に反することが捨て石のような効果を発揮する場合もありますが、特殊な事例として認識していただきたいと思います。 

 

「『問題文で提示された条件』を正解が満たしているか」 

「『問題文で提示された条件』を満たすものが正解以外に存在しえないか」 

この2つの条件は文面の通りです。 

 

以上、条件についての説明をしました。競技クイズでは、解答者たちが獲得してきた知識が最大限に生かされる状態が理想といえます(このことに異論がないと信じます)。問題作成サイドの不備・配慮不足によって、知識があることが競技の障壁になってしまう事態は極力避けるべきです。先に挙げた条件を全て実現できなかったとしても、皆様にはこの状態の実現を目指してほしいと思います。

林志邦

AQLでは中学・高校時代に3度の全国を経験し、2019年にはベスト8に進出。2020年放送のテレビ番組「東大王 高校生クイズ甲子園」に出演した際のクールなキャラクターも印象深い。

サプライヤーとして数々の大規模なクイズ大会で問題選定に関わり、記録集を通して若手プレイヤーに影響を与えている。

【審査基準】

私が考える基本的な審査基準は、ベースとなる審査基準や二次審査委員の方々の審査基準とかなり被っておりますが、他に私が重視したいことを一つ挙げるとすれば、「問題選定への優しさ」です。

高校時代に「KQA Jr 2020」「第0回QuiCK杯」「第19回KQA杯」といった中高生運営の大会でほぼ単独で問題選定を務めた経歴をもとに言えば、問題選定はハードな仕事です。問題選定の仕事は、主に「提出者が提出してくれた一問一問について、誤りを含む表現・誤解されかねない表現・日本語として不自然な表現・解答者に伝わりづらい表現に斧鉞を加えること」と「問題被りを見つけ、被りを削除したり別の切り口を用いた問題に差し替えたりすること」の二つですが、特に前者に費やす労力が多く、大規模な大会になれば1000にも上る提出問題の手直しには莫大な時間がかかります。このようなこともあって、孤独な問題選定が「誤りも不自然なところもなくそのまま大会に出せる問題群」を見つけた時の喜びは、かけがえのないものです。そのため、個人的な審査基準の一つとしては「問題選定に負担をかけないような、手直しの必要性をあまり感じさせない問題群」を高く評価しようと考えております。

しかし、大会に問題を提出するという経験がなく、問題選定の負担を軽減させるにはどうすれば良いかわからない中高生も多くいることかと思います。私はまだまだ大学1年生でくちばしが黄色く、他の審査員の方々ほど良いアドバイスができる自信もございませんが、具体的に以下の点を心がけてみると良いかもしれません。

・誤字/脱字/衍字などをなくしましょう。

・表現に気をつけましょう。文末を「~でしょう?」に統一したり、短文問題ではあまり好まれない「解答を指す文中の指示語」をなくしたりすることが、自然な問題文ひいては問題群を作る際に重要となります。

・出題価値が伝わる問題文を作成しましょう。あくまでも作問方法の一例ですが、前フリには「答えとなる事柄のどんな点が世の中にもっと広く知れ渡るべきだと考えているか」、落としには「答えとなる事柄のどんな点が世の中に既に広く知れ渡っているか」を盛り込んでみると良いかもしれません。

・問題被りやジャンルの偏りをなくしましょう。また、同じジャンル・形式の問題を近いところに置かないよう気をつけて並べ替えましょう。例えば、特別な理由もなくパラレル問題が隣り合っていたり、年号から始まる問題が何問も連続していたりするのはあまり好まれません。

・不自然な表現やミスリーディングになりうる表現は、自分で口に出して読むことで気づきやすくなります。推敲には推敲を重ね、より良い表現がないかを探してみましょう。

・提出期限に必ず間に合わせましょう。問題提出が遅れれば問題選定も遅れ、大会準備に差し支えることになります。

 

もちろん、最初に話している通り、これまで述べてきた「問題選定への優しさ」は私の審査基準の一つにすぎませんので、ベースとなる審査基準や二次審査委員の方々の審査基準をも参考にしながら良い問題群を作り上げてください。皆さんの問題を心待ちにしております。

 

福岡侑季

入学した高校にはクイズ研究会が無かったものの、オンラインクイズで研鑽を積み数々の大会で実績を残した。AQLでは帯広柏葉高校の"助っ人"として参加した2020年に全国初出場で9位となった事がある。

【審査基準】

私の審査基準は「40問読んだ時に個々、また全体で違和感が無いか」「問題の偏りの無さ」を重視します。

 

①「40問読んだ時に違和感が無いか」

例えば「~で知られる」の問題文の多用などは減点対象に入ってしまいます。単独の問題文として違和感が無くても、40問通して読んだ時に何度も登場すると全体的にくどくなってしまいます。当然ですが、同じ助詞を使い過ぎていないか(例えば「~の~の~の~にある、」など」)誤字・脱字・衍字(余計な文字)が入っていないか、など、問題文が正しい文であるかという点も対象に入ります(間違いのある日本語であれば、読んだ時に違和感を抱くはずです)。是非チームで語彙選びや語順などを確認し合って下さい。

 

②「問題群の偏りの無さ」

審査基準に大きく書いてありますが、団体戦、かつ多くの地域のチームが参加するAQLという大会の性質上、ジャンルの偏りや似たジャンルの問題の近接などに関しては少し厳しく審査します。私だけかもしれませんが、同じジャンルの問題が続いたり、全体的にジャンルが偏ってしまうと解答者が楽しめないのではないかと考えているので、そのような問題群は少し低めの評価になります。

 

と、ここまで何だか偉そうに書きましたが、正直言ってしまうと私のことなんか気にしなくていいです。あくまで問題の行き先は参加者ですから参加者第一で考えて下さい。評価対象云々はそれからです。当日読まれることを想定し「どんな問題なら楽しんでもらえるかな」などと思考を張り巡らせ、チームで最高の問題群を作り上げて下さい。皆さんの珠玉の問題を楽しみにしています。

 

別所輝典

中学時代から関西地方のクイズ大会シリーズ「QuarK」で活躍し、中高生時代には関西のみならず全国に名を馳せた。

大会長を務めた「第3回QuarK杯」では十数人の実力派プレイヤーをまとめ上げ、大会の成功に大きく貢献した。

【審査基準】

私からは「読まれるのに相応しい問題かどうか」という点を主な審査基準に挙げさせていただきます。

早押しクイズにおいて、躊躇してボタンを押すのが遅れてしまったり、思い違いからボタンを押してしまったりするのは命取りです。10by10by10miniという誤答に厳しいルールなら尚更でしょう。それ故に、解答者には僅かでも迷いを生じさせるべきではないと思っています。音声情報しか与えられない解答者がスムーズに理解できることが理想です。助詞や主述関係など日本語が正しく使えているか、脳内で変換しづらい漢語が問題文中に多すぎないかなどに気を付けて問題を作成していただきたいです。また、答えを巧みに示唆するような前フリなど、レトリックに富んだ問題は特に評価したいと考えています。

それでは、解答者への思いやりの籠った珠玉の42問を心待ちにしています!

 

中山拓海

高校生以下による長文問題No.1決定戦「Never Ending Story」の優勝(2019)に代表される、世代きっての難問派プレイヤー。

AQLでは2018年に九州王者として全国大会に進出し、全国の強豪と代々木の地で鎬を削った。

【審査基準】

皆様初めまして、中山と申します。本大会の問題を審査するにあたり、私が意識する点は以下の通りです。

 

①嘘のない問題を、正しい日本語で作れているか

言うまでもない大前提ではありますが、クイズの問題文において情報・文法の正確さは必須です。

 

②出題する事象

「クイズ初心者を含む中高生に出題する」という前提ももちろん大事です。ですがそれにとらわれて、卑近な、当たり前過ぎる事象を当たり前のフリで出題する問題ばかりでは面白さに欠けます。

 

③フリについて

新しい切り口を意識するあまり、変な表現や主観をフリにするようではいけません。固有名詞を曖昧に隠しただけのフリなどはもってのほかです。

 

以上はあくまで私個人の思想です。欲を言えばこれらにもとらわれることのない、妥当性と面白さを天秤にかけた至高の問題群をお待ちしています。