AQL会計マニュアル

はじめに

AQL実行委員会では稲垣経営研究所様のご協力のもと、

「クイズ大会で、最低限の会計処理を行うためのノウハウ(Excelファイル)」

をまとめました。

 

AQLは、各地域このルールにのっとって運用を行う予定です。

 

クイズ大会が「個人レベルで開かれるもの」であるならば、堅苦しいことを言う必要はなく、このような会計処理をする必要は正直ないでしょう。

 

一方で、以下のような目的で、会計をきちんと報告したいという目的意識を持つクイズ大会もあると思います。

・収入がどのようなことを使われているかを、社会に示しながら進めたい場合(特に、寄付やボランティア協力を広く募集する場合など)

・「アマチュアの出演による興行で、その興行のために直接要する会場費、人件費などの経費を賄う程度の低廉な入場料による興行」であることをきちんと示したい場合(特に、扱う額が大きな大会)

・保険契約時やスポンサー募集時などに、年間の事業規模を示したい場合

 

しかしながら、「最低限のレベル」だとしても、適正な会計処理・報告というものは難しいものです。通常は会計士や税理士に依頼することになり、アマチュアが主催するクイズ大会では到底払いきれない額となるでしょう。

AQLでは「社会に示すことができる最低限の会計処理」を「最低限の、現実的な労力」で行っていくことを目的に、稲垣経営研究所様のボランティア協力によるアドバイスをベースに、今回の会計処理ノウハウをまとめました。

基本、「Excelファイル内の指示に従って、当日エビデンスの表を作り、金銭のやり取りをした人にサインをしてもらい、例外的な部分を埋めれば」、「収支報告」「活動報告」「損益分岐表」が作成できます。

 

今回アップしたファイルは、AQL以外のアマチュア主催のクイズ大会での利用も歓迎します。ご活用いただければ幸いです。

 

ダウンロード
AQL会計ファイル
会計報告をする一連のファイルです。
Ver.1.1【00.〇〇リーグ】AQL_会計ファイル.xlsx
Microsoft Excel 60.9 KB
ダウンロード
交通費申請ファイル
交通費申請を行う場合のファイルです。
20190720版_交通費申請.xlsx
exe ファイル 13.1 KB
ダウンロード
支払い明細ファイル
委託費用などを銀行口座経由で振り込む際に残すエビデンスです。
20190720版_支払い明細.xlsx
exe ファイル 13.9 KB
ダウンロード
AQL会計操作マニュアル
稲垣経営研究所様に作成していただいたExcel操作マニュアルです。
Ver.1.0_AQL会計操作マニュアル_190729.pdf
PDFファイル 3.3 MB

【本ファイルの使用について】

・本ファイルの著作権は、稲垣経営研究所とAQL実行委員会が保持しております。

・本ファイルの使用、改変、及び本ファイルを利用した会計管理や会計報告実施は、「非営利クイズ大会の会計処理用途」であれば、全面的に許諾します。

・「営利のクイズ大会」「クイズ大会用途以外」で本ファイルを使用したい場合、AQL実行委員会か稲垣経営研究所までお問い合わせください。営利団体(法人や個人事業主)が利用される場合、きちんとした形で稲垣経営研究所にご依頼をお願い致します。

・本ファイルを用いて会計処理で発生した各大会のトラブル等について、稲垣経営研究所とAQL実行委員会は一切責任を負いません。各大会の責任でお使いください。

 

 


会計方法解説

上記「AQL会計ファイル」を用いた会計方法を解説します。基本はAQLのマニュアルですが、他の大会でいくつかの要素を抜粋して使って頂いてもかまいません。(随時更新中)

AQL会計の方法:地域代表(大会主催者)基本編

0.はじめに

・基本、地域代表者が記入するのは「当日エビデンス」と「②仕訳帳(定例)」です。ここの赤字枠を記入していくことになります。

・すべての収支に対して、基本何らかの「エビデンス」が必要と考えて下さい。AQLとしては「最低限のエビデンスを残す」という方針を取ります。

・大会開催の基本業務は、「1.」「2.」「3.」で完結します(AQL以外のクイズ大会の場合、追加で【AQL会計の方法:とりまとめ会計事務担当作業編】の「1.地域会計まとめ」が必要)。面倒かと思うかもしれませんが、「お金のやり取り」でトラブルが起きないための最低限の業務にまとめ上げたつもりなので、これは基本やって頂きたいです。(触ってみればわかると思いますが、必要最低限の業務になっていると思います)

・年に複数回大会を行う地域リーグは、一大会ごとに一ファイルをまずは作成して下さい。後に複数ファイルを「②仕訳帳(定例)」に「値のみコピー」でまとめることになります。ただし「この番外編大会(○○サマーリーグ)は会計処理外」と各地域判断してやってもらう分にはかまいません。(例えば年間保険を申請する場合、この事業規模で申請することになりますので、対象外となります)

・記入時に「コピーアンドペースト」はしてかまいませんが、「カットアンドペースト」は絶対しないでください。Excelに少し詳しい方はわかると思いますが、関数の関係がぐちゃぐちゃになります。

 

1.「当日エビデンス」作成編

1-1.基本情報

赤枠の基本情報を記入して下さい。

 

【リーグ名】「AQL2019○○リーグ」と記入して下さい。

【開催日】大会の開催日を入れて下さい。年2回以上大会を行うリーグは「②仕訳帳(定例)」でイレギュラー対応していただきますので、メインの開催日を入れるようにしてください。

【会計年度】年度の開始と終了の日付を記入して下さい(大会的にはここは更新して毎年配布します)

【開催会場】開催会場名を入れて下さい。

【前年繰越金】前期繰越金を入れて下さい。

 

1-2.「当日エビデンス」作成

大会当日までに、表を完成させてください。

 

・各チームの「参加費・登録費」を入れて下さい。なお、早押し機レンタル等で参加費を減免する場合も、減免する前の額を入れて下さい。

・寄付をもらう場合、「寄附金」に入れて下さい。

・早押し機提供代を入れて下さい。

・「問題作成」「印刷事務」等を委託し謝礼を払う場合、「スタッフ委託」に金額を書き込んだうえで、備考に委託内容の詳細を書いてください。

→ネームカードの自宅PCでのプリントアウトなど、領収書が出ないタイプの事務を依頼する場合、「印刷作業」を丸々委託した形を取ってください。

・「交通費」を支給する場合、大会前に「交通費申請.xls(別ファイル)」を各チームに提出してもらった上で、その金額(以下の支給する額)を欄に書いてください。

・他人に建替えてもらっている「宿泊費」「費用建替」があれば記入し、備考に詳細を書いておいてください。ただし、いずれも領収書保存が必須となります。

・「当日エビデンス」を、紙にてプリントアウトしておいてください。

 

1-3.大会当日の作業

・当日、「徴収費用」の金銭のやり取りを行ったら、プリントアウトした「当日エビデンス」の「受け取り・支払いサイン」のところに必ずサインか印をもらって下さい。(これが「支払」「受け取り」の大事なエビデンスとなります。サインを受け取り忘れた場合、大会後個別にメールのやりとりを行い、支払伝票を書いてもらうことになります。)「何らか収支が発生して差引0円」の場合も、その差引金額に合意してもらうためにも必ずサインをもらって下さい(参加費無料の高校生で差引も含め一切お金のやり取りが無い場合、サインは必要ありません)。

・個別徴収(見学費や個人戦の参加費)や臨時徴収がありましたら、「個人支払」欄を作り、金額を記入。受付責任者がサインをしてください。

・金額等に修正がある場合、横棒で該当場所と合計金額を修正して、その金銭に関わる方にサインか印をもらってください。

・必要な領収書は必ず取っておいてください。(建て替えの場合、もらうようにしてください)

・最後に大会長が確認のサインをして下さい。サインor印をもらった当日エビデンスは、スキャナやスマホカメラで撮影し、電子化しておいてください。

 

1-4.大会終了後の作業

・当日手書きで修正・追加した分を、Excelに反映させてください。

・「スキャンした当日エビデンス」「撮影した領収書」などを、dropboxフォルダか、事務担当にメールして下さい。

なお、エビデンス(当日エビデンス及び領収書)の原紙は、可能ならば○年保存して下さい。地域代表が責任もって保存するか、事務担当にご提出ください。

 

2.「②仕訳帳(定例)」作成基礎編

当日エビデンス一覧がしっかり埋まっていると、「②仕訳帳(定例)」に自動反映されるよう式を組みましたので、基本的な収支は完成しているはずです。

ここでは追加の作業について説明します。

 

・20行目以上の黄緑セル部分に「会場費」「印刷費用」「保険料」を記入します。

・基本、領収書一枚につき一項目(「事業費前払処理」「事業費費用振替」セット)とお考えください。例えば、会場費関連で領収書が2枚出た場合、もう一項目追加が必要です。

→項目追加は、「3.「②仕訳帳(定例)」作成応用編」を参考に付け足して下さい。

・作成が終わったら、「このファイル」「エビデンス一式の画像ファイル」「交通費申請ファイル」「支払明細フォーマットファイル」を、事務担当に提出して下さい。提出は以下のいずれかです。

 

提出先dropbox(推奨):

\Dropbox\AQL会計\AQL2019会計報告\地域リーグ・〇〇リーグエビデンス

(会計は別dropboxフォルダとなっております。ファイル共有してない地域代表は、dropbox登録メールアドレスを代表にお伝えください。)

 

提出先メールアドレス(dropbox未加入の場合):

aql_official(at)yahoo.co.jp

((at)をアットマークに変えて下さい)

 

3.「①収支確認(印刷)」での口座残高確認編

・「①収支確認(印刷)」はピボットテーブルになっています。ピボットテーブルを更新して下さい。

【Excel2010での更新手順】

1.ピボットテーブル内の任意の場所をクリックし、リボンの [ピボットテーブル ツール] を表示します。

2.[分析]、[更新] の順にクリックするか、Alt キーを押しながら F5 キーを押します。

なお、ファイルを開いたときに自動計算される設定になっております。

・「期末残高」が、実際の銀行口座に残っている額(or最終的に手元に残っているお金)と同じか、常に確認するようにしてください。

 

以上で基本的な会計処理は終わりです。単体の会計報告を行う場合、【AQL会計の方法:とりまとめ会計事務担当作業編】の「1.地域会計まとめ」に進んでください。

 

次項では細かい点を記載します。

 


AQL会計の方法:地域代表(大会主催者)応用編

4.「②仕訳帳(定例)」作成応用編

仕訳帳を各大会で追加記入する場合について記載します。

 ・収入は「経常収益未収計上(そのお金が発生した日、多くの場合大会日)」「経常収益入金処理(銀行口座に実際入れた日)」がセットとなります。大会としての銀行口座が存在しない場合、両者は同じ日付でOKです。

・支出は「事業費前払処理(銀行口座から取り出した日)」「事業費費用振替(そのお金が発生した日、領収書がある場合はその日付。「当日エビデンス」がエビデンスの場合、そこに記入してある日付))」がセットとなります。大会としての銀行口座が存在しない場合、両者は同じ日付でOKです。

・追加で項目が必要な場合、他の入力や過去の報告を参考に付け足して下さい。その際、「事業費前払処理」「事業費費用振替」を必ずセットにしてください。項目が分からない場合、気軽にご質問ください。

・銀行口座がある場合、「経常収益入金処理」「事業費前払処理」は、「日付」を銀行口座に実際に出入金した日(通帳に記載された日)に書き換えて下さい。

・銀行等への振り込み手数料等が発生した場合、「管理費費用振替」「支払手数料振替」で、別項目にしてください。

・大会当日出席できなかった方の委託費を大会後に銀行口座経由で支払う場合、「支払明細フォーマット」に記入してもらって下さい。その金額を「経常収益入金処理」「事業費前払処理」で記入して下さい。

 

主な大会での項目(追加する場合参考にしてください)

「事業費費用振替」となる項目

・印刷費、小道具作成など・・・「消耗品費振替」

・会場費、早押し機、PCレンタル謝礼・・・「賃借料振替」

・問題作成、ホムペ作成、ツール作成、スタッフ謝礼、印刷事務、公式HPの使用料など・・・「委託費振替」

・交通費、宿泊費・・・「旅費交通費振替」

 

「管理費費用振替」の項目

・銀行手数料・・・「支払手数料振替」(必ず別項目に)

・保険料・・・「支払保険料振替」

 

 (以下、更新中)

5.上部組織(全国大会)の会計からお金が支給された場合

6.上部組織(全国大会)の会計にお金を戻す場合

7.赤字となった場合

 

8.その他

以下、AQLにおける会計処理の考え方です。(暫定)

・各種事務等については、「業務委託」という考え方で統一しています。

・「「当日エビデンス」へのサイン」ですが、本来こういったエビデンスは「本人が存在することを示す」ことが必要です。従って多くのケースの領収書などでは「サインを行った者の住所」も記入して頂くのが一般的です。しかし、そのようなことを真面目にやろうとすると、高校生に自宅住所などを記入してもらう必要が出てきてしまい、個人情報管理などの面でハードルが上がります(個人情報保護法上は、「受け取る個人情報は必要最低限のものにすべき」と定められております)。一方AQLでは「教育機関or外部に活動エビデンスが残っているクイズ団体」が参加できることになっております。これを踏まえ、「存在する団体に所属する個人である」ことが示せれば、最低限のエビデンスになると考え、暫定ながら「団体名+本人のサインor印」をエビデンスとする形で運用をすることにしました。ただし、税務署等から改善の指摘があった場合、この考え方は変更する場合があります。

・クイズ大会開催は、税法上の「収益事業」の「興行業」に当たる可能性があります(収益事業を行う団体の場合、法人登記していない団体でも法人税の対象になったり、利益が出てない場合も一団体につき年7万程度の事業税がかかったりすることがあります)。例外として「アマチュアの出演による興行で、その興行のために直接要する会場費、人件費などの経費を賄う程度の低廉な入場料による興行」で「所轄税務署長の確認を受けたチャリティーイベント」は、対象外となるとされております。基本この点を頭に入れた上で参加費の設定等を行うことをお勧めします。気になる大会主催者は、お近くの税務署に問い合わせて下さい。

 


AQL会計の方法:とりまとめ事務担当作業編

各地域からまとまってきた会計ファイルを処理する事務です。

 

1.地域会計まとめ

・受け取ったExcelについて、大きなミスが無いか簡単に確認して下さい。

・支出について、領収書等のエビデンスが一通りそろっているか確認して下さい。

・主に日付などで問題があれば、簡単に修正し、地域代表者に「この修正でいいか」を確認して下さい。

・項目等で不明点があれば、会計もしくは会長に確認して下さい。

・pdf化されてないExcelエビデンス(「交通費申請ファイル」「支払明細フォーマットファイル」)をpdf化して下さい。

・会計ファイルの「①収支確認(印刷)」と「⑤決算書(印刷)」を、pdfしてください。

・エビデンスをフォルダにまとめて下さい。必要があればWeb公開します。

 

 2.年度末(AQL全リーグとしてのエビデンスを作成する場合)

年度末に、【03.AQL(全体)】AQL_決算資料2019年3月期.xlsxを作成します。

「【03.AQL(全体)】の④残高試算表&検証」に、各リーグ会計ファイルの「④残高試算表&検証」をコピーし、「形式を選択して貼り付け-値のみ」で貼り付けを行って下さい。

・最後、会計及び会長に内容を確認してもらいます。

 

・「⑤決算書補足(支部別活動実績)」「⑤決算書」をpdf化し、代表に報告。必要があればWeb公開し、完了となります。